生むは易し 名付けは難し 〈商品名を考える〉

この記事は2020年7月、旧サイトに投稿した記事の再編集です

名付けは永遠の悩み

craft mAtanとして活動をはじめてから10数年が経ちますが、いつも、いつでも、今でも、作品づくり以上に悩むのが「ネーミング」!! ほ~~~んとに悩みます!!

製作を始めるときは、だいたいの完成イメージを描いて始めます。もちろん、その初期段階で作品名のキーワードもあったりします。

しかし、試作と失敗を繰り返しながら練り上げていく過程で、だんだん作品への愛着がでてきて、最初のキーワードがどんどん細胞分裂してくので、最終的な言葉の選択に悩んじゃいます。

私の場合は、キーワードがどんどん細胞分裂していっちゃうので、最終的に言葉の選択に悩んだり迷ったりしてしまいます。優柔不断だからコトサラですねw

その割に、craft mAtanの屋号はあっさり決めたんですけどね…w

craft mAtan®|PV-1|mA名付け編

[Stylish Display]という商品名に決めるまでの過程でも、随分悩みました。

何しろ、誰も作ってない物なので、奇をてらったり突拍子な名前では、一瞬では人目をひくかもしれませんが、お客様の関心を繋ぎとめるトークテクニックがなくては〈何なのか〉を認識してもらうまで聞いてもらうことが難しくなると思います。なので[Display]という言葉は必ず必要だろうな~、あとはどんな言葉を添えるか…?というところから、どうやって決めていったのかをお話しようと思います。

子どもの名付けや作品のタイトルとは全く別思考の商品ネーミング

私には2人の息子がいますが、息子の名前は、友だちに覚えてもらいやすくて、呼びやすい名前で、最終的に画数を決め手にしました。

画数を決め手にした理由は、私の名まえがそうだったからw このエピソードはこちら↓

作品名では、お客様が視覚で感じる第一印象を大切にしたいので、シンプルで語り過ぎないタイトルを付けるようにしています。

子どもの名まえは、子どもの未来に願いを込める

作品の名まえは作品を見た方の空間を邪魔しない

ちょっと格好づけた言い方ですが、私はそう思って名付けてきました。

でも、商品名となると、ネーミングそのものがバリューに繋がる重要な要素なので、画数やイメージでなく商品の目的や使用価値が具体的に伝わるよう思考を練るのが大切じゃないかな?と思いました。

星の数ほど存在する魅力的な商品であふれる世界に、「何だ?これ?」と気付いてもらい、「面白そう…」と感じてもらう。

その段階までに至るにも結構大変なんですが、そこから先の、「使ってもらう」から「覚えてもらう」が新商品販売の初期段階でのワンクール。子どもの名まえや作品名と違うところは、

  • お客様に実質的な価値を直接評価されるということ。
  • 私が商品に期待している目的や展開を、お客様にジャッジされるということ。

お客様が全く知らないこの商品を、認識して、受け入れて、覚えてもらえるような商品名にしたいな・・・

迷ったら迷わずググる!さっそく検索

こんな時、商品開発に関わるみなさんはどう考えるんだろう?

「新商品」「ネーミング」で検索してみたら、Shop開設で登録しているBASEさんの記事があったので、まずはこちらから見てみよう…

一言で魅力を伝える!売れる商品名のつけ方とは - BASE U - ネットショップの開設・運営・集客のノウハウを学ぼう
ショップの開設準備をするさい、ショップ名や商品名、商品説明文、商品価格など多くの決めるべきことがあります。

いくつかのShopがピックされていて解説が添えられていましたね。商品名の解説はさておき、ピックされているShopの傾向で、BASEのスタッフさんが推したい嗜好が伝わります。ターゲットユーザーの階層なのかもしれません。

ワンピースやネックレスといった、商品自体が認知されているアイテムを、Shopブランドの商品としてBASEサイトにアップする時に有効な商品名のつけ方のアドバイスという主旨でしたが、簡潔にまとめられた目次はとても参考になります。

私の場合は、認知すらされていない商品のネーミングに「ストーリー性」を盛り込むのは、少し情報過多な気がします。お客様の認識を混乱させる可能性があると、商品に対するイメージによくないと思うので、ストーリー性は除外します。「重要なキーワード」は商品名へ誘導するシグナルワードとして、分けて決めた方がいいかな?って感じるので、後から考えることにします。

ってことは、「商品の特徴をシンプルに伝える」をポイントにして、もっと他の情報を探してみようと思います。

まずは、何なのかを知ってもらうことから

次に訪れたサイトはこちら

商品名の決め方・考え方。売れる名前には理由がある!
商品名の決め方、付け方、考え方を知らずに、ネーミングで悩む方は意外と多い模様。売れる名前には理由があるという話を半信半疑で聞き流していたとしたらそれは勿体ないです。本稿では、広報担当者のみならず、誰彼どこかで役に立つはずの基本知識や情報、事例をお伝えします。

誰もが聞いたことがある具体的な商品名を例に、解説が加えられていました

有名なエピソードもありましたね

これほどの名だたる一流企業さんの商品なので、きっと、優秀なコピーライターさんが編み出した商品名なのでしょう

私のような、般ピーの企画品とは計り知れない距離を感じますが、私の商品をアピールできるのは私しかいないので、卑屈にならずに一つ一つの課題をクリアしていこうと思います

では、さっそく商品の特徴を再度ピックアップするところから始めよっかな?

ただ、この作業って考案した本人が考えるのって結構大変なンですよね…

何しろ、発案から試作にかけての様々な理性と感情がぐちゃぐちゃに、そして理屈とへ理屈までもがドロドロに混ざり合っているので、それらを浄化するって悟り級な難題にすら思える…

だからこそ、第三者の視線で客観的に捉えてもらうことって大切

コピーライターさんって、ただネーミングを生み出す言葉屋さんではなくて、開発者の主観と私情を濾過して、お客様に最適解なアプローチに浄化する役目があるんだなぁと思うのであります。

キラーワード「1秒広告」

アピールしたい商品の特徴がそろいました。

でも、これってあくまでも「この商品を売りたい私の思惑」なんですよね

それが、どれくらいお客様にとって「良いもの、良いこと」なのかが一番大事

次に、お客様の目線でこの商品の特徴を考えてみたいと思います

次に訪れたサイトはこちら

403 Forbidden

先ほどのサイトと異なり、このサイトは女性が執筆されています。「女性の目線で」とかっていう言葉を使っても大丈夫なのかしらン?って、つい神経質になってしまうこの頃のご時世ですが、私もひとりの女性客でもあるので、こちらのサイトのライターさんの目線は同じ女性としてとても共感できます。

つい、商品提供者の立場を忘れて、素で読んでしまいますねw

男性とか女性とかっていうより、様々な感性が発信する情報にふれるのはとても勉強になります。

こちらのサイトで、私に刺さったキラーワードを発見しました☆彡

つまり商品ネーミングとは「1秒広告」の役割を担っています。1秒で意味がわからない、商品の全体像が見えない商品ネーミングは、女性客にとって良い商品を選定できないため「不誠実」であり、商品ネーミングの役割を果たしていないと言えます。

http://www.jm-channel.com/academy/how-to-naming-5step/

なぜならヒットするネーミングの第一条件は「わかりやすいこと」だからです。女性のお客さまはとは一見して商品イメージからメリットが伝わらないもとやイメージが湧かないネーミングには「良くない商品である」と思わせてしまいますが、逆にメリットを提示しすぎるのも分かりづらさにつながってしまいます。そのため訴求ポイントを絞るという決断が必要になってきます。

http://www.jm-channel.com/academy/how-to-naming-5step/

そう、その通り!ってグサッっと刺さりました。

だって、私も全く見たこともない商品を見かけたとき、いきなり手には取りません。

実物を見て、商品名を見て、「先ずはコレが何なのか?」を知ろうとします。

そして次に、「どう使うのか」「どんな特徴があるのか」「便利か」「お洒落か、面白か」と探っていきます。

つまり、「コレが何なのか?」へのアプローチである商品名は、お客様にとっての第一印象

「初対面の第一印象でイメージが9割決まる」

どこかで聞いたことがありますが、そんな大切な瞬間の第一印象で、興味を持ってもらえる商品名って何だろう?

コンセプトよりも大切にしたいこと

商品が売れるかどうかは、売り手の思惑ではなくお客様の気持ちが決め手

商品名よりもまず大切なのは、商品そのものがお客様に受け入れてもらえる物なのか

商品を通してお客様がどんな楽しみがあるのか

ここまで考えたのに「ふりだし」に戻った気もするけど、作品づくりをしている者としては、この堂々巡りの過程って要らない要素を濾過する大事な段階。結構バカにできないんですよね・・・

もし、初めてお会いしたお客様に、これが何なのかを説明するとしたら、どう伝えるだろ…?


[アクセサリーをつけてフォトフレームに入れてお部屋に飾れる〖台紙〗?〖型〗?]

この要素から考えると、アクセサリーディスプレイとか、フレームwithディスプレイとか、フレームinディスプレイとか、いや、inフレームかな?

この商品のアピールポイントは何かを説明するとしたら…?

[身近な材料で手づくりできる] [自分好みのイメージで作れるディスプレイ]

この要素から考えると、ハンドメイドディスプレイとか、マイクラフトディスプレイとか、マイスタイルディスプレイとか・・・かな?

この商品で私が一番伝えたいことは何だろう…?

[前例のない新しいハンドメイド商品] [商標登録した独自の商品]

この要素から考えると、mAtanディスプレイ・・・か?

上記以外で商品を表現するキーワードをピックしてみよう…

個性的、ユニーク、他にない、見たことない、誰も知らない、差別化、特化、希少、アイデア、クラフト、楽しい、作れる、飾れる、雑貨、収納、プレゼント、オリジナルグッズ、アート、デザイン、アクセサリー、パッケージ、ファッショナブル、ライフスタイル、スタイリッシュ・・・

う~んと、他には、、う~んと・・・

とはいえ結局、頼みの綱は・・・

頑張って5個くらいまでに絞りましたが、決めかねてしまい、商品名鑑定をしてもらったんですよ☆

その結果をふまえて、一番無難だろうなと思った商品名が

「スタイリッシュ ディスプレイ」

[Stylish Display]

これでほぼ決まりって感じですが、さらに最終ステップとしてこの名まえで検索をかけてみます。

もしも、お客様がこの商品を探そうとして「スタイリッシュディスプレイ」「Stylish Display」と検索した時に、どのような検索結果に遭遇するのか、気になりますよね。

早速ググってみると、PCモニターやモニターディスプレイがトップヒットしました。「スタイリッシュディスプレイ」という商品名のアイテムではなく、「スタイリッシュなディスプレイ」という感じでした。他に、私とジャンルが似ている「ハンドメイド」「アクセサリー」のところも見てみましたが、同じく商品名で「スタイリッシュディスプレイ」とかぶる商品はないようです。

[Stylish Display]でもググってみる。

((( う~~~ん大丈夫そう・・・ )))

商標登録の状況も調べてみましたが、大丈夫そうです。

おそらく「スタイリッシュディスプレイ」という商品名を登録申請するのも可能な感じですが、審査に通るかどうかはわかりません。公共性が高い言葉って登録できないんですよね?…たしか。

申請したとしても結果が出るまで1年以上かかります。登録期間も5年または10年ごとの更新制。

それまでの間に、もしかすると、「(やっぱ変えよっかなー)」思うかもしれないし。

では、、、あとは・・・

商品名が決まると、穴の空いたパズルが埋まったような感じでとても清々しいですね。

でも、ここまでたどり着く過程で、様々な視点・角度から商品を突き詰めて考え直すと、まだまだこの商品の詰めの甘さを改めて発見してしまいます。でも、こうやって見えてくる甘さを改善しながら、多くの商品が提供されていくんだろうなと思いました。

今後とも「スタイリッシュディスプレイ」をよろしくお願いします♪

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