craft mAtan®のアクセサリーは、ビーズアクセサリーの技法をベースに、暮らしの中で馴染みの深い手芸の基礎を組合せて製作しています。
皆さまは「ビーズアクセサリー」と聞いてどのような作品を想像されますか?
おそらく、世代によって分かれると思います。
ひと昔くらい前は「ビーズ」という言葉がハンドメイドアクセサリーを指していました。
「ビーズしてる」って言うと、ハンドメイドアクセサリーを作っているっていう意味でした。
それほど、ビーズアクセサリーという分野がムーブメントになった時期がありました。
時が流れ、今ではすっかり昔ばなしのネタになってるビーズアクセサリーという分野
「聞いたことあるけど、よく知らない」
という方のために、わたしが受講したカリキュラムの順番と記憶をたどりながら、ビーズアクセサリーについて少しお話したいと思います。もしかしたら、わたしの記憶ちがいもあるかもしれませんが…w
ワイヤークロッシェ
スレッドのように細くしなやかなワイヤーにビーズや天然石などの素材を通し、かぎ針で素材を編み込みながら形成していきます。
編み方は従来のかぎ針の「くさり編み」や「細編み」「引き抜き編み」「輪編み」などが基本となります。編み目の目数はもちろん、目の「あたま」「あし」のどの部分に素材を入れるかや、編む時のワイヤーのテンション(引き締め具合)などで様々な形成ができます。
ワイヤークロッシェは欧米でも人気の技法で、日本では「純銀クロッシェ」という名称で楽習フォーラムが認定コースを開講。それまではテグス編みが主流で少々やりつくした感が蔓延しつつあったビーズアクセサリー愛好家の層に、新しい風を送り届けてくれました。
一般的な糸を編む時もそうですが、同じ図面、同じ編み方でも作り手の特徴が如実に現れるのが編み物です。ワイヤークロッシェは糸編み以上にその特徴がくっきり現れます。
さらに糸編みと大きく異なるのは、編み間違いを修正する時、ひとたび編んだワイヤーを糸のようにほどくことが出来ません。全く不可能ではないですが、ワイヤーの強度が落ちる可能性もあるので、craft mAtan®では販売商品への使用は避けています。
編み直しができないワイヤークロッシェ。当然、試作段階ではお客さまの想像を超えるロスが発生することもあります。商品として提供するためには妥協したくありません。ですので、お客様の中には価格帯に少々ご不満を感じる方もおられるようですが、ご理解を頂けますと幸いです。
ワイヤーワーク
ワイヤーワークとは、私が勝手に呼称してるだけなので、世間的に通用する言葉ではないことをご了承くださいw
ワイヤーをかぎ針で編み込むのがワイヤークロッシェ。
かぎ針で編まないけど、ワイヤーを使って製作する技法があります。
楽習フォーラムではモードジュエリーと呼ばれ、高級感あふれるゴージャスなジュエリー製作ができる認定カリキュラムがあります。
わたしは受講していませんが、製作上の必然に応じて必要なスキルを独学で何とかしましたw
技法とアイデアを盛り込んみアートとしてのクオリティが評価された作品は、コスチュームジュエリーと称され、有名なブランドでは[MIRIAM HASKELL|ミリアムハスケル]が広く知られています。
craft mAtan®のコンセプト「身近な素材からインスピレーションを探る」という考えから、ゴージャス性よりも日常性・普遍性に視点を注いていますので、最低限必要な技法だけを必要な個所に施す感じです。モードジュエリーと言ってしまうには腰が引けますし、そもそもちゃんと習っていないので「ワイヤーワーク」と言うようにしています。
ビーズステッチ(オフルーム)
シードビーズと総称される細かい粒のようなビーズを、糸で編み込んで形成する技法です.
欧米ではオフルームと呼ばれ、レース編み同様、60-70年代ごろからハイソサエティ層に親しまれていました.
さらに起源をたどるとアフリカンジュエリーにも通じるという説もあります.
アメリカに多くの愛好家がおられ、日本でも楽習フォーラムで講座が開講になったときは、大変な人気になってました.
ひと足先に開講されていた純銀クロッシェは、まず、かぎ針編みができないと何もできません。また、編み図と指示記号を理解しないとレシピが読めません。さらに、ワイヤーの編目を読むのも慣れが必要で挫折感との格闘になります。また、使用するワイヤーも純銀ワイヤー。編み直しでほどいたワイヤーを無駄にしたくないあまりに再利用すると「全く別物か?」と思ってしまう仕上がりになることがあります。認定を受けるための課題作品を作るだけでも材料費がかさみ、どうしても継続するにはハードルが高く感じてしまう方が正直多かったのです。
ビーズステッチが人気になったのはそんな背景も多少影響したのでは?と思います。編み物は無理でも、針と糸で手芸感覚で作れて、シードビーズとビーズ糸ですから編み直しもできるし、予算の心配も軽減される。しかも、技法のバリエーションと無限の種類があるシードビーズ。教室運営ではネタ切れの心配からも解放されます。
超絶の人気をはくしたビーズステッチ。
しばらく経ってからデュプロマ講座も開設されましたが、その頃からリーマンショックの不況の波が家計に押し寄せてきていたので、更なる受講は諦め、独学の道を模索していくことに決心しました。
ビーズステッチはバラエティーに富んだ編み方があり、フラットやチューブ、フレーミング、サーキュラー、ダイヤ、ラウンド、ピラミッド、デイジー、スパイラルなど、実に多様です
シードビーズの種類も、特小、丸小、丸中、丸大、3カット、TR、SQ、6角、竹、ドロップ、ラウンド、ファルファッレなどあり、さらにチェコビーズやパール、ベネチアン、天然石、クリスタル、メタルなどのポイントビーズを組合せて作り上げていきます。
ワイヤークロッシェのような「やり直しができない」という製作上の不都合はありませんが、形成する要の材料が糸なので「強度面で頼りない」という使用上の不都合があります。
ただ、その点は補強を施すことでクリアできます。
craft mAtan®の作品はこれまでの製作経験から、破損の際のビーズ飛散と再仕立ての効率性を考慮にいれて、独自の補強をしています。
作品の表面からは見えない部分ですが、長くご愛用下さるお客さまほど、その効果を実感していただいていると自負しております。
ストリング
楽習フォーラムの通信講座では「パールストリング」という名称で、NYでストリンガーとしてご活躍された丸橋美方先生が指導監修したカリキュラムがあります。
初級編の課程コースと応用編の認定コースの2編成で、私は初級編の課程コースのみを受講しました。これは上記理由と同じ、家計面の懸念もありましたが、家庭内での悩み事も多くノイローゼに陥った自分への嫌悪感から、鬱に堕ちつつある頃でもありました。
活動も完全休止していましたが、このストリングの技法は販売商品のクオリティー向上のためにも、絶対に習得しておかないといけないような感じがして。そして、気分転換できれば何かが変わるきっかけになるかもしれない、と。
課程コースを修了後も数年間、鬱から逃れることはできませんでしたが、今、現在の私にとって、やはり受講してよかったと思う時が多々あります。
このパールストリングの技法はとてもシンプルで、課程コースではその基礎のキソを練習します。ビーズステッチのような複雑な作品展開はありませんが、ネックレス製作の解説がとても丁寧に記されていて、私のような専科でデザインを学んでいない独学人にはとても学びの多いテキストでした。また同時に、学校でしっかりと学んで来られた方々に比べて、自分がどれほど「なんちゃって」な愚か者だったのかを教えてくれたテキストでした。
ビーズ刺繍
こちらは、楽習フォーラムではオートクチュール刺繡という講座で展開されています
今現在でとてもHOTな講座で、受講中の方も多いのではないでしょうか?
私は2年ほど前に楽習フォーラムの短期講座でスポット受講しました。
勿論こちらも、ちょっとやってみただけで認定までは受けていません。
鬱の海底からは浮上できましたが、家計不況の荒波から脱出はなかなかできませんw
また、昨今のハンドメイドを取り巻く環境を考えても、個人事業主としての今後の活動を考えても、他にやるべきことが山積しているのではないかと思ったので、そちらに残りの人生の時間を注ぐことにしました
楽習フォーラムの講座ではリュビネルを使わず、縫い針でのカリキュラムでした
リュビネル刺繡の講座も非常に人気が高く、魅力あふれる作品を生み出されている作家さんは、舞台衣装やブライダル関係などの分野でご活躍されている方々もおられます。
craft mAtan®ではビーズ刺繡のアクセサリー作品を製作するかどうか、、、わかりませんw
でも、スタイリッシュディスプレイで使えそうなの刺繡モチーフの試作をしています。
そちらでの作品はアイデア次第で登場するかもしれませんねw
その他、ビーズアクセサリーの基礎
テグス編み、ピンワークなど、craft mAtan®の販売作品では需要性が薄いので、今ではほとんどやりません
ワークショップでもないですね。
お子さん向けのワークショップでも、、、ないわ~w
ただ、これからハンドメイドアクセサリーを始めたいと思われている方には、製作の基礎中の基礎なので、押さえておくポイントとペンチなどの道具を使うコツを掴む目的で習得されるのも良いかもしれません。
テグスの種類で「ゴムテグス」があります。これは販売アクセサリーでも使用する機会があるかもしれません。扱いが少々やっかいですが、用途はありますので体験するもアリです。
体験できる講座は、たぶん無いと思うけど…w
☝ゴムテグスで作ってます
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